真旗慶子(旧名:早坂理恵)がリシケシへの旅を綴る、「ヨガの聖地 リシケシへの旅」シリーズ。それまで学んだヨガをさらに一歩深めるため、ヨガの聖地リシケシを訪ねます。
私の旅は、昨年の秋。インド政府公認のヨガインストラクター資格を取得するためインドに渡りました。中目黒のFlow Arts Yogaさんが主催するインド政府公認 ヨガインストラクター資格のTTへ参加しながら、インドでの実際の食事やアーユルヴェーダ、自然との関わり方を含め、朝から晩までヨガを深めるのです。
リシケシには、知っていたつもりのヨガに、もう一つの側面を発見できた貴重な体験が待っていました。ヨガの聖地インド リシケシでの実体験から感じたことを記していきます。
ヨギにとってのリシケシ
ヨガと言えばインド。そしてリシケシはインドの北部に位置するヨガの聖地とされる地。街の東側にはガンジス川が流れ、その岸辺には沐浴をする人やサドゥーと呼ばれるヨガ修行者がインド国内から集まり、そしてまた世界中のヨギ/ヨギーニが目指す場所でもあるのです。
インドではどんな生活になるのか、そしてリシケシは私にどのようなヨガの姿を見せてくれるのか、成田でわくわくしながら機内へ。これから旅の始まりです。
インドへの旅立ち
機内食は、他国行きの便とは違って、ベジタリアンなのか、ビーガンなのか、普通食なのか、さらに、厳格なベジタリアンなのか厳格なビーガンなのかを尋ねられます。
航空券を購入する際だけではなく、間違わないように機内でも口頭で再度確認され、座席シートに目印のシールを貼って、徹底的に管理しています。私はベジタリアンフードをお願いしていたので、パンに野菜を挟んでいる、シンプルなものをいただけました。
空港でヨガとの深い関わりを知る
東京の成田空港からは約9時間の直行便でインド、デリーのインディラ・ガンディー空港に到着。到着間際の機内では、空港内での撮影は禁止、とのアナウンスが。
インドでは、鉄道、地下鉄の駅や構内、橋やダム、空港などは、国防上の理由から撮影禁止としれているのです。
寺院内部も、せっかくインドに行ったからには撮りたい、と思うところですが、実は撮影禁止とされていることが多いのです。しかし、別途料金を払えば撮影可能な場合も。その場合も、礼拝中は世界共通のマナーとして、撮影は慎みましょう。
私は今回、インドの聖者である師のもと、ありがたいことにたくさんの貴重な経験をさせていただき、普段は入ることのできない場所や、体験できないような場面でさまざまなことを経験させていただきました。そこで写真も撮らせていただけたので、可能な範囲ここでシェアしていこうと思います。
デリー空港はとても美しく、入国審査の壁面には、ヨガの印を結んだ大きな大きな手が。ヨガの聖地である国だということを、空港ですでに感じられました。
入国審査を通過して、いざリシケシへ
インド入国には、たとえ10日間という短期間であれ、必ずビザの取得が必要です。以前はとても時間がかかったのですが、いまはネット上で申し込み、完了することができます。(2017年6月現在)入力に少し時間がかかるので、余裕のあるときに早めに取得しておくことをおすすめします。
オンラインビザを取得した者は、その専用のラインに並び、入国審査官にビザとパスポートを掲示。何もなければ入国手続き完了です。
預け荷物をピックアップして空港からリシケシまで、タクシーで向かいます。
空港エリアを抜けてから、片道6時間ほどガタガタとした道をスピードを上げて走るため、車に酔いやすい方は酔い止め薬を飲むことをおすすめします。
またデリーは排気ガスなどの影響でとても空気が悪いため、空港を出てタクシー乗り場に向かう前に、マスクを着用しておくのがベター。お手洗いを済ませておくことも忘れずに。
成田空港を夕方出発し、デリー空港に着いたのは深夜。そこからタクシーに乗って、リシケシの道場に到着するのは、日の出後の早朝の予定です。
チャイで一休み
半分ほど走ったあたりで、パーキングエリアのようなところに到着。チャイを気軽に飲めるチャイカウンターと、ちょっとしたおもちゃやお菓子が並ぶ売店があります。
インドは昼夜の寒暖差が激しく、11月の気温は雨が降らず、日中は半袖で歩くほど暑いけれど、日没後は一気に肌寒くなり、ストールと上着、レッグウォーマーなどが必須です。この頃、まだ深夜なのでとても寒く、暖かく、スパイスの効いたチャイがとても美味しかったのを覚えています。
飲み終わったカップをゴミ箱に返却すると、スタッフはそのカップを、その場でおもむろに地面に叩きつけて割り始めました。
素焼きのカップを一度粉々にしてまた焼き直し、新しく作られたカップにチャイが注がれて旅人に渡ります。
深夜、車の少ない道路でカシャンカシャン!と鳴り響く中、空港を出てから初めて、野外の公共トイレ体験。
事前の独自調べから、ペーパーの設置はなく、水が出るホースとバケツがあるので、それを使いながら手で吹く、という状況を覚悟していましたが、意外と普通。ペーパーはないものの、不便を感じない水洗便所でした。
道は半ば、再びリシケシへ向け出発
少し休んだあと、残りの道を走ります。
日の出が近づいてくるころから、だんだんと走る車の数も増えてきて、途端にあちらこちらでクラクションが鳴り響き始めます。
ブーブー!ビービー!!とにかくスピードを上げて、追い越し追い越され、追い越し追い越され、クラクションを鳴らしまくりながら走るため、やはり酔い止め薬は必須だと感じた瞬間でした。また、目でしばらく追えるほど排気ガスが黒く空気が悪いため、リシケシに到着するまではマスクを外さない方が良さそうです。
しばらく走っていると、前方から。
真っ赤に真っ赤に燃える太陽が顔を出し始めました。とても美しくて、タクシーを少しの間止めてもらい、外に出て太陽の光を全身で受け取りました。
インドの太陽はとても赤く、大きく、熱くて優しく、その太陽を見ただけで、インドに来る意味があったんだな、来てよかったな、と心から感じました。
この辺りからだんだんと空気がクリーンになり始め、視界もクリアになっていきました。
夜明けのガンジス
しばらく太陽を眺めてから、またしばらく走り続けると、なんとも言えない美しい色の川が。これが、あのガンジス川だと説明されました。これがずっとずっと流れて続いているのだと。
朝日に照らされ、見たこともない美しい色に感動。これからの本格的なヨガの旅の始まりを告げるものだったのかもしれません。
道路では、インドでの神聖な生き物、牛の姿がたくさん見られます。その後、森林公園のような中に入り、さらに走り続けます。鹿や牛がたくさんいる中を走り抜け、気がつけばあっという間に10日間お世話になる滞在先へ到着していました。
荷物を置いて顔を洗ったら、まずは少し、滞在先の周りを散策します。
次回はインド、リシケシの風景から。
お楽しみに。